ルーシー コー (Lucy Coe)

物理学とソフトウェアを専門とする経験豊富な英国および欧州特許弁理士および統一特許裁判所(UPC)の代理人であり、特に争訟業務に重点を置く。欧州における特許紛争回避・解決手段の膨大な選択肢に関する深い専門知識を有し、クライアントの商業的目標を達成するために利用可能な選択肢のバランスを中心に、汎ヨーロッパ特許訴訟戦略をクライアントに最適なアドバイスを提供する。

欧州特許庁(EPO)の異議申立および審判を数多く担当。独創的な論証の組み立て方、判例法に関する深い知識、説得力のある弁論スタイルにより、特許権者の代理人・異議申立人の代理人として、一貫して大きな成功を収めている。訴訟関連としては、英国での侵害訴訟および取消訴訟への対応、統一特許裁判所(UPC)および欧州各国裁判所での汎欧州訴訟戦略に関するアドバイスの提供の経験がある。また、本格的な訴訟に代わる選択肢としてあるいは強力な交渉手段として取消訴訟と並行してまたは補完的に、欧州で特許を無効にするための他の選択肢を検討する強力な提唱者でもある。特に、英国知的財産庁(UKIPO)が提供する拘束力のない侵害または有効性に関する意見書や、EPOおよびUKIPOの情報提供を利用して大きな成功を収めている。当所パンフレット”Challenging Patents”の共同執筆者でもある。また、UPCからのニュースや判例について報告する当所ブログ”UPC Weekly”の執筆も頻繁に行う。

また、特許出願書類作成および中間処理も担当し、特にコンピュータ関連発明(CII)およびソフトウェア、モノのインターネット(IoT)技術、半導体および光学機器、ウェアラブル、医療機器、通信技術、AI/MLの分野に精通している。また、大規模なFTOや特許ウォッチング・プロジェクトの管理にも積極的に取り組んでいる。

訴訟およびEPO異議申立ハイライト

- IP-2022-000064：Prevayl Holdings Limited & Others対MyZone Holdings Limited & Others。ウェアラブル技術に関する英国特許侵害訴訟を英国知的財産企業裁判所で弁護し、公判直前に和解を成立させる。

- EP2164559 (T1904/21)、EP2180915 (T0118/20)およびEP2081634 (T0116/20) ：Bauer Wagner Priesmayer対Medical Components, Inc.。静脈アクセスポートに関するこれら3件の重要な特許について、EPOの異議申立および審判でいずれも特許維持に成功。T1904/21は特許維持で異議申立却下、T0118/20はクレーム1が特許維持、T0116/20は審判請求通り維持された。

- EP3613301 (T0418/23)：Imperial Tobacco Limited対JT International S.A.。EPOにおける異議申立に成功し、喫煙具特許が完全に取り消された。

- EP2973098 (T2278/22)：Roche Diagnostics International AG対Abbot Point of Care, Inc.。EPOにおける異議申立に成功し、臨床現場即時検査に関するこの重要な特許を取り消した。

- EP3711499：Nicoventures Trading Limited対Imperial Tobacco Limited。EPOにおける異議申立での電子喫煙具に関する特許の抗弁の結果、特許は維持された。

インクルージョンと多様性

インクルージョンと多様性の強力な支持者である。知的財産業界では、2000人近いメンバーを擁するIP Inclusive's Women in IPのリーダーとして知られ、2023年にはWIPR Diversity “Trailblazer” に認定された。また、米国知的財産法協会(AIPLA)の”Women in IP Global Networking Event”シリーズのイベントコーディネートなど、AIPLAとも定期的に協力している。

当所のInclusion and Diversity Collaboration Groupのメンバーであり、WoMEn of Mewburn Ellis Networkの創設メンバーでもある。

経歴

マンチェスター大学で物理学の理学修士号を取得。ミューバン エリスには2016年に入社。2019年に英国特許弁理士、2020年に欧州特許弁理士の資格を取得。ストラスブール大学で欧州特許訴訟のディプロマを取得。2025年にパートナーに昇格。